新婚蜜愛~一途な外科医とお見合い結婚いたします~
「よかった。よく母が作ってくれて。思い出の料理です」
「素敵なお母様だったんですね。野菜たっぷりで愛情を感じます」
「ええ。そうですね。いい母でした」
コンソメの優しい味が母を思い出させる。
「子どもの頃に、お会いしていたかもしれませんが、大人になってからお会いしてみたかったです」
「きっと母も喜んだと思います。私たちが男兄弟でしたから、娘のように接したのではないでしょうか」
実現できない姿を想像し、目を細めた。
食べ終え、食器を片付けたあと、食後のコーヒーを淹れるという結愛さんに甘え、ソファに座る。
芳しいコーヒーの香りに癒される。
「お母様の話を、もっと伺っても?」
「ええ。もちろん」
結愛さんとソファで二人、寄り添って座る。
私は思い出の中の母を語った。