新婚蜜愛~一途な外科医とお見合い結婚いたします~

「では、シェアというのも?」

「シェア?」

「神田先生が、医師は忙しいから、恋人も妻もシェアし合うのが普通だと」

 怒りがふつふつと湧き上がり、神田先生に文句を言わなければ収まりがつかない。
 彼に連絡を取ろうと、立ち上がろうとした体を制止させられた。

「待ってください。省吾さんは違うって、馬鹿かもしれないけれど、信じたかった」

 今にも泣きそうな声を聞いて、怒りは鎮火していく。

「馬鹿ではありません。正しい判断です。すみませんでした。あの時、きちんとなにを言われたのか、聞いておくべきでした」

「いえ。聞かれても、あの時は私も答えられるか、わかりませんでした」


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