新婚蜜愛~一途な外科医とお見合い結婚いたします~
「気づいているかもしれないですが、からかわれたのですよ。神田先生は、そういうところがありますから。医師を狙う悪い虫かどうかを判断した、という余計なお世話をした可能性もあります」
「あ、よろしければ連絡くださいと」
「連絡は、していませんよね」
「はい。揺らぎましたけれど」
「なにに、揺らぐのです」
咎めるように言うと、彼女は恐る恐るという様子で切り出した。
「省吾さんの過去のプライベートというか、女性関係を知る方だと思うと。お話を聞けるかと」
「結愛さん。神田先生が本物の悪人だとしたら、連絡した時点で遊ばれて捨てられますよ」
彼女は自分の犯しかけた失態を知り、絶句する。
「では、どうして省吾さんが『その場限りの付き合い』なんて」
彼女の純粋な眼差しに見つめられ、問いかけられると言葉に窮する。
「どうして、と言われましても」
「大切な人はもういらないと、思ったのですよね」
「それは……」