新婚蜜愛~一途な外科医とお見合い結婚いたします~

「真意、ですか。作法が分からないので、私がリードすればいいと受け取りました」

「そうではなくて、ですね」

 緊張から、あの日のように声が震える。

「私たちは結婚しました。違いますか?」

 小さな声で「違いません」と答えた。

「あ、まだ婚姻届は出していませんでした。早急に白石さんに、許可をいただかなければ」

「そうでしたね」

 クスクス笑いながら、それでもあの日を再現する。
 寝室に入り、ベッドへ促されるまま腰を下ろした。

 彼も私の隣に座る。

「避妊はしません。すぐに子どもが授かれば嬉しい限りです。違いますか?」

 あの日よりも、ずっと現実味を帯びる内容にドキドキと胸の音が煩わしいほど耳につく。

 答えられずにいる私に、あの日同様、省吾さんが優しく告げる。

「大丈夫。優しくします」

 目を細め微笑んだ彼は、羽が触れるように繊細に私の手の甲を撫でた。

 背すじに走る甘い痺れ。
 包み込むように抱きとめられ、彼に体を預けた。

 彼は、そっと耳元で囁く。

「愛しています。結愛さん」

「私も」

 辛うじて答えたのを最後に、唇は優しく塞がれた。

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