新婚蜜愛~一途な外科医とお見合い結婚いたします~
何度も角度を変え、唇を重ね合わせる。
ゆっくりと合わせる唇は、次第に舐められ、唇を食むように唇で挟まれ、艶かしさを増していく。
「余裕で、いられないな」
一瞬、切ない表情の省吾さんが見え、そこから急激に深いキスへと変わる。
ゾクゾクと背すじを走る甘い痺れに、体は正体をなくし、彼にしがみつく。
その体に彼はゆっくりと覆い被さるように、ベッドへ体を沈ませた。
彼が触れる刺激から、逃れたいのに、もどかしい、相反する感情が混在する。
自分の声ではないような甘い声が漏れ、恥ずかしいのに、声を抑えることができない。
「やっ。恥ずかしい。待って、怖い」
自分が自分でなくなってしまいそうで、体がカタカタと震える。
するとゆっくりと、体に触れる刺激は止められ、軽いキスをされた。
「嫌、ですか」
掠れた色気漂う声が、鼓膜を震えさせる。
「嫌じゃないんですけど」
ギュッと彼にしがみつくと「少し、ごめん」と言って私の手を外し、私から体を離した。
朦朧とした意識の中で、事の成り行きを見守っていると、彼は上の服を脱ぎ去ってしまった。