新婚蜜愛~一途な外科医とお見合い結婚いたします~

 彼の引き締まった体は何度見ても、目がチカチカする。

「私にも触れて。そしたらきっと怖い思いがなくなる」

 彼は私の手を取って、自分の胸に押し当てた。

「すごく、ドキドキしています、ね」

 私と同じか、それ以上に鼓動は速い音を刻む。

「私も少しだけ怖いです。自分が自分でなくなってしまいそうで」

「わ、私も同じ気持ちでした」

 省吾さんも怖いと思うなんて意外で、速い彼の鼓動を感じながら、彼の胸元に顔をうずめた。

「私も省吾さんにキスをしても?」

「ええ」

< 195 / 229 >

この作品をシェア

pagetop