新婚蜜愛~一途な外科医とお見合い結婚いたします~

 彼の胸元に私もそっとキスをする。
 すると彼の上擦った声がした。

「う、わ……。まずいですね」

「なにか、間違ってましたか」

 作法もなにもかも知らない。
 ただ、触れたいと思った。

「いえ。煽られて、その、怖いのなら、ここまでにしますか、と言えなくなりそうです」

 私は再び、彼の胸に顔をうずめる。

「やめないで」

「え」

「怖いけれど、私も省吾さんと本物の夫婦になりたい」

 言い終わると同時に、省吾さんの唇が重なった。
 深く深くベッドへと体を沈ませ、体は直接肌と肌が触れ合う。


< 196 / 229 >

この作品をシェア

pagetop