新婚蜜愛~一途な外科医とお見合い結婚いたします~
愛し合いましょう 省吾side
こっくり、こっくり、舟を漕ぐ彼女に目を細める。
こんな小さな体に、私は何度も求め、応じさせた。
世間知らずの彼女は、私への気遣いが間違っているのに、至極真剣に訴える。
その姿がかわいらしくて、余計に抑えられなかった。
「ピザは諦めて寝ましょうか」
彼女の手からピザを受け取り、箱の中にしまう。
彼女の体を抱えるように支え、ベッドへいざなった。
「キス」
「ん?」
「おやすみのキス」
「ああ」
寝ぼけた彼女の催促は、私の胸をつかんで離さない。
体を重ねれば重ねるほど、彼女に溺れて行く自分が怖くなる。
もう失いたくない。
そう思うと、目を閉じるのが恐ろしくなる。
きっと今眠ったら、緊迫した病院の夢を見る。
何度も愛し合った体のだるさを感じ、幸せよりも恐怖を思い描く自分に嫌気がさした。