新婚蜜愛~一途な外科医とお見合い結婚いたします~
「いえ。そうではありません。いや、そんな簡単な気遣いも失念するとは。ずっと慣れ親しんだ部屋にベッドがなくとも、自分は変に思わなかったもので」
私は自分の気づかないところで、彼女をたくさん傷つけているかもしれない。
「ごめん」と心からの謝罪を口にする。
「それで、どうしていたのですか」
「リビングのソファで眠ってみたり、色々です。結局は、ほんの数日で結愛さんと寝室のベッドで眠るようになりましたし。元々、職業柄、あまり寝なくとも平気な方でして」
「平気なわけないじゃないですか。省吾さんはご自分の痛みに鈍感過ぎます」
「痛み」
「はい。労ってください。私も、省吾さんと長く一緒にいたいです」
真っ直ぐに見つめられ、自分の自分自身へのいい加減さを思い知る。
「そうですね。ごめん」