新婚蜜愛~一途な外科医とお見合い結婚いたします~
私の仕事の関係で長い休みが取れず、新婚旅行にも関わらず、二泊四日の弾丸旅行となってしまった。
少しばかり夫婦としての仲を前進させた私たちは、夢見心地な新婚旅行から日常の生活に戻る。
今日から帰る場所は、結愛さんも私も同じ場所。
私が元々暮らしていたマンション。
引っ越しは既に済ませ、あとは住むばかりの状態になっている。
引っ越しの関係で何度か訪れているとはいえ、二人で帰る状況に些か慣れない。
タクシーを降り、スーツケースを押し、エレベーターで上がる。
「時差もありますし、さすがに疲れましたね。今日はゆっくり過ごしましょうか」
「ええ。そうしたいです」
覇気のない顔をする結愛さんは、今にも眠ってしまいそうだ。
海外は初めてだと言っていたから、日本に帰ってきてホッとしたのだろう。
玄関を開け、寝室まで案内すると電池が切れたようにベッドに横になった。
すると数分もしないうちに、眠ってしまったようだ。
新婚旅行は非日常だが、ここは生活の拠点。
自宅に、いつもの生活の中に、彼女がいる。
それが気恥ずかしくもあり、嬉しくもある。
気持ちよさそうに眠る彼女を見ているうちに、自分自身もいつの間にか眠っていた。