新婚蜜愛~一途な外科医とお見合い結婚いたします~
隣を見ると彼女はいない。
眠り過ぎた体でリビングへ行くと、彼女はキッチンに立っていた。
「あ、起きられました? お風呂とキッキンを勝手に借りています」
「ええ。今は結愛さんの家でもあるので、断りは不要です」
「そうでした。なんだか慣れなくて」
彼女はなにかを盛り付けると、それらを手にこちらへ移動した。
「おうどん、食べられますか? お野菜たっぷりにしました」
さきほどから出汁のいい香りがしていたと思ったら。
「ええ。いただきます。ありがとう。材料、なにもなかったでしょう」
「はい。土地勘もないので、すぐ近くのコンビニくらいしか行ってこれなくて、だからおうどんになりました」
「私は普段作らないので新鮮です」
「お口に合うといいのですけど」
人参にキャベツ、もやし、ニラ。
こんもり盛られた実に様々な野菜と共に、うどんを箸で口に運ぶ。
「おいしい」
「良かった〜」
心底、安堵したような結愛さんは「コンビニは便利ですね。野菜炒め用の野菜が、カットされて袋に入って売ってました」と興奮気味に話す。