新婚蜜愛~一途な外科医とお見合い結婚いたします~
中村医院は、この辺一帯の人たちがかかりつけにしている内科医院。
昔からある地域に根ざした病院で、私も小さい頃からお世話になっていた。
ニコニコされている中村先生の顔しか思い出せないくらい、いつもいつも笑顔を絶やさない先生で、小さい頃から大好きだった。
今日も診察が全て終わってからの来店なのだろう。
大抵が閉店間際のギリギリだ。
「定食、お持ちしました」
テーブルに御膳を置く私へ、中村先生は穏やかに、しかし面食らう内容を口にした。
「結婚していただけませんか」
耳を疑って、思わず中村先生を凝視する。
閉店間際のお店に、今は中村先生以外にお客様はいない。
母も奥で片付けや明日の仕込みを始めていて、実質、中村先生と二人きりだ。
そんな状況にいると急に実感して、困惑が強くなる。
すると私の戸惑いが伝わったのか、中村先生は頬を緩め、謝りの言葉を口にした。
「失礼しました。突然、不躾な物言いでしたね」
「あ、いえ、その……」