新婚蜜愛~一途な外科医とお見合い結婚いたします~
謝られても、穏やかにハッキリ聞こえた『結婚していただけませんか』という台詞は何度も頭の中を行ったり来たりする。
「驚きますよね。いつも感心していたのですよ。お母さんを献身的に支えられていて」
「いえ。そんな……」
お褒めの言葉をいただいて恐縮しきりだ。
けれど、それよりもなによりも、最初の問いかけの方が信じられない。
いつも心を寄せるのは、ずっと年上の人。
だから相手にされるわけもなく、また、自分自身も見ているだけで十分だった。
それはテレビのアイドルに憧れているそれに、少し似ているかもしれない。
だからここにきて、私自身も舞台に上げられるような状況を想定していないのだ。