しずくの恋
こんなに近くで流山くんと接したことはなかった。



「ねえ、あの子、泣いてない?」



そんな声がどこかから聞こえてくると、
流山くんが周りから見えないように、私の姿を柱の陰に隠してくれた。


そんな流山くんの優しさに涙がぽろりとこぼれる。


「…どうしたの?」


落ち着け、自分っ!

いきなり泣いたりして、こんなの、流山くんを困らせるだけなんだから!


必死に呼吸を整えて、流山くんと向き合う。



「大丈夫?」


そう言って心配そうに私の顔を覗き込んだ流山くんの瞳をじっと見つめた。


「流山くん」


困惑した表情を浮かべながらも、流山くんが、まっすぐに私に視線を向ける。


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