しずくの恋
驚きすぎて、言葉を失っている流山くんに
もう一度繰り返した。


「1年生のころからずっと流山くんのことが好きでした」



動きを止めたままの流山くんをじっと見つめた。



伝えることが、できた。



こんなこと、こんな場所で突然言われて、
驚かない人なんていない。

戸惑いを隠せずにいる流山くんに、
ずっと伝えたかった言葉をつづけた。



「入学してすぐのころ、

流山くんが酔っぱらったおじいさんを助けて遅刻したとき、

マエガラ先生に流山くんが遅刻した理由を
ちゃんと説明しなくてごめんなさい。

私、どうして流山くんが遅刻したのか知っていたのに、マエガラが怖くて言えなかった。

本当に、ごめんなさい。

あのとき、おじいさんが目の前で倒れて、
でも、酔っぱらってる人だったし、
どんな人か分からなくて怖くて、

正直、あんまり関わり合いになりたくないって思っていたの。

あのとき、なにも手伝えなくて本当にごめんなさい。あれからずっと謝りたかった。

私ができないことを、迷わずにやっている流山くんはすごいと思った。
あの日から、流山くんにずっと憧れていました」


一気にそこまで伝えると、不思議と体の力が抜けた。


流山くんは戸惑いながらも、真剣に私の話を聞いていてくれた。

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