クローゼットに飛び込んだら、そこはイケメン天国(パラダイス)~これってもしやシンデレラストーリー!?
俺が助かるということは、アンジェラが死ななければならないということ。
そう思うと、なんだ胸が痛む。
特に、愛情を感じていたわけではないが、あいつは俺を逃がしてくれた。
あいつにはなにかと世話になったから、なんとか助けてやりたいとは思うが、アルバート様の気持ちもわかる。
なんとしても、魔法の力の復活を阻止しなくてはならないという強い気持ち…
それは、ファーリンドに住む、全部の民のためでもある。



(俺はどうしたら良いんだろうな?)



毎晩、考えてはいるけれど、良いアイディアは何も浮かばない。
そんな間にも、アンジェラのお腹の中で子供は日々成長しているんだ。
なのに、何も出来ないことがもどかしい。
気持ちが焦るばかりだ。



「ジョシュア…今日は良い酒が手に入ったんだ。」

ネイサンが、微笑みながら俺の前に酒瓶を差し出した。



「へぇ、年代物か。一体どこで?」

「カードでちょっとな。」

「……なるほどな。」

ネイサンは俺のグラスに、なみなみと酒を注いでくれた。
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