クローゼットに飛び込んだら、そこはイケメン天国(パラダイス)~これってもしやシンデレラストーリー!?
「カンナ!大丈夫か!」



助かった。
なんとか、三人で転げ落ちる惨事は免れた。
ほっとした途端に気が抜けて、私はその場に座り込んでしまった。



「は、はい、大丈夫です。」

「ありがとう、本当に助かった。
……怖い想いをさせてすみません。」

「いえ…私は大丈夫です。
それよりも、私のせいで大変な想いをさせてしまって申し訳ありません。」

おばあさんは、とても辛そうな顔でそう言った。
そうだよね。
おばあさんも、アルバートさんに迷惑をかけてることがわかってるから、苦しいよね。
でも、それでも行きたいんだね。
息子さんをなんとしてでも助けたいんだね…



「アルバートさん!後ろは僕が守りますから、安心して下さい!
さぁ、あと少し…頑張って行きましょう!」

わざと明るい声を出した。
あとどのくらいなのかわからないけど、精神的な影響は大きいものだから。
苦しい時ほど、無理にでもポジティブに行かなきゃね。



「頼もしいな。
そうか…じゃあ、後ろは任せたぞ!」

「はい!」

アルバートさんに私の気持ちは通じたみたい。
なんだかそのことが嬉しくて、私は力いっぱいの返事をした。
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