ねこねこ幼女の愛情ごはん~異世界でもふもふ達に料理を作ります!~
 三世代の王族による子猫の取り合いは、ルディがエリナをひょいと抱き上げることで決着がついた。彼は、ギルバートとフランセス、そしてなぜか新たに加わっていたサランティーナ王妃の恨めしげな視線を「ふんっ」と鼻息ひとつであしらい、首にエリナをかじりつかせてから、父王に言った。

「さて、本題に入りましょうか、国王陛下?」

「お、おう」

 王都警備隊の制服に身を包み、狼の頭部をしたたくましいカルディフェン第一王子は、どこから見ても立派な美丈夫だ。しかし、それなのに、孤高のフェンリルである見目麗しい自慢の息子が、現在どう見ても子育て真っ最中のお父さんに見えた国王は、なぜか白目を剥きそうな気分になる。

(これは、保護者としての態度であるな? 決して、決して幼女に邪な想いを抱いているのではなく、保護者としての責任で……カルディフェンが首の周りを幼女に掻かれて激しく尾を振っているのは、気のせいだな、うむ!)

 ルディ向かってに発せられる「ずるーい」という三重唱の声を無視して、無理矢理気分を落ち着かせてから国王は言った。

「この度は、前国王に新しい料理を献上した功績で、『青弓亭』の料理人であるエリナ、並びにミメットに特別な褒賞を与えることが決定した。といっても、あまり大々的なものではなく、記念の品と上質な食材を仕入れてさらなる活躍をしてもらうための報奨金を幾ばくか、この場で渡そうというものなのだ。よって、緊張せずとも良いぞ……全然緊張などしておらぬようだがな……ははは……」

 国王の言葉は、ルディをモフるのに忙しいエリナと、彼女を取り合う王族たちを冷たい視線で見るミメットを前にして、残念ながら尻すぼみに終わったのであった。
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