ねこねこ幼女の愛情ごはん~異世界でもふもふ達に料理を作ります!~
「朝飯は……というか、俺はいつもほとんど三食、外で食べるんだ」

「……ルディさんは、自炊をするようには見えませんよね」

「どういう意味だ」

 ルディの家の台所には、青い魔石のついた水差し(冷たい水が湧き出す便利な水差しだった)がひとつ置いてあるだけで、料理道具はおろかお茶を淹れる道具さえなかった。彼は一人暮らしで仕事が忙しく、料理をする暇などないというのだ。

 先程、エリナがやんやん言いながら両手で顔を覆っている間に、彼は素早く服を身に付けていた。彼が着ている濃いブルーのかっちりとしたデザインの上着に、同じ色のズボンのそれは、王国騎士団の制服なのだそうだ。

 彼の話によると、エリナがやって来たここは、スカイヴェン国という獣人の多い国であった。そして、ルディは騎士団の王都警備隊に所属しているとのことだった。

「さあ、来い」

 背の高い狼男のルディにひょいと抱き上げられたエリナは、朝市に連れていかれた。

 なるほど、彼の鍛え上げられた精悍な姿や、エリナを軽々と持ち上げてさっそうと歩く筋力は、武人としてのものなのだろう。

 ちなみに、なぜエリナがおとなしく抱っこされているかというと、彼女は服は着ていたが靴は履かずにこの世界にやって来たからである。ルディに靴を買ってもらわないと、自分の足で歩けないのだ。
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