※彼の愛情表現は、少しだけ重すぎる。






保健室に着くなりユキはぐったりとベッドに体を仰向きに倒した。


「ねえ、大丈夫? お願い、しっかりして」


明らかに普通ではないユキの様子に気が気ではなくて、でもしてあげられることがなくて、せめてもと髪や頬についた白いチョークの粉を指で拭った。


けれど、手ではなかなか落ちなくて、セーターの袖を伸ばしてそこで拭う。


「もう……落ちない……っ」


泣きそうになりながら拭いていると、ドアの開いた音が背後から聞こえてきて、続けて。

「ユキ?」

大人の男の人の声が聞こえてきた。


はっとしてベッドの横に膝をついたまま振り返ると、保険医の香山先生が立っていた。


香山先生は、ベッドの上のユキを認識するなり驚いたようにこちらへ足早に向かってくる。


「どうしたんだ? ユキになにが?」

「チョークの粉をかけられて……」

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