※彼の愛情表現は、少しだけ重すぎる。
私にとって繋がりはユキだけだけど、ユキのSNS上での交流関係は分からないから、ユキの憧れてる子が私かどうかは分からない。
私であったらいいと思う気持ちの反面、そんな淡い気持ちに追いついてきたのは自己嫌悪だ。
「……正反対だね、私とその子」
ぽつりと吐き出した言葉は、自分への嫌味だった。ネットを通して仮面を被った状況でしか、ユキに優しくできない自分自身への。
すると、風の向こうでふわりとユキが笑んだ気配がした。
「そうかな。俺にとってはふたりとも大切な人だよ」
不意をつくような言葉に、きゅうっと、柔くきつく胸が締めつけられる。
私だってはるくんのことが大切だった。
──でもあんたが……。
この温もりに包まれた中でその先を思うことはさすがに躊躇われて、私は思いを心の内で消化するように、ユキのジャージを握った。
ユキといると、どんどん自分の嫌な部分が見えてくる。
当たり前だった日々が、どんどん違和感に溢れてくる。
私は視線をそっとあげて、ユキの顔を仰ぎ見た。
私をおぶるユキの額には、冬なのに汗が浮かんでいる。
息遣いだって荒い。
けれど、その瞳はまっすぐ前を見据えていた。
ぶれることのない、強い光を宿して。