僕の庭
どの位、泣いたのだろうか。
ぬくもりを感じて顔を上げると、花保理が頭をそっと撫でてくれていた。

僕と目が合うと、その手を止めて困ったように眉をひそめた。


「あーあ、もう」


「……何?」


「せっかく温かいのを持って来たのに、すっかり冷めちゃった」


え、と彼女が視線で示す方を見ると、湯気の消えた汁椀が道端に置かれていた。


「す、すまない……。その、しかも変な所を見せてしまって」


僕は急に気恥ずかしくなって頭を何度も下げた。


「ううん、それはいいのよ。でもこれは一回温めなおさないとダメね。
ねえ、ついてきてくれる?」


「は?」
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