僕の庭
「この先がね、あたしが働いている食堂なの。そこまで来れば温め直せるから。それに、」


と、花保理は僕の頬に残った涙の筋を指で拭った。


「こんな所にずっといたら、二人して風邪ひいちゃうわ。ね、ついてきて?」


花保理は片手で汁椀を持ち、立ち上がった。
もう片方の手を僕に差し出して、にこりと笑う。


「ほら、行こう? 耕介さん」
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