僕の庭
花保理はちゃぶ台に盆をのせ、かまどに手際よく火を入れ、いくつかの小さな薪を放っていた。


ぱちぱちとはぜる炎に照らされて、えくぼをみせて笑っている花保理は、ほら、とちゃぶ台の方を指差した。


「お湯沸かすから、後でお茶も淹れるわ。早くしないと、また冷めちゃう」


「……あ、ああ」


僕はのそのそと、畳敷きの場所に上がった。まだひんやりとした座布団に座り、湯気のたつ汁椀に手をのばした。汁椀の横には、さつまいもの混じった米のおむすびまであった。

「いただき、ます」


「召し上がれ」


添えられた箸を持ち、椀を鼻先にかかげると、優しい香りがした。
温かなそれを胸に吸い込むと、冷たい空気に満たされていた肺から身体が暖かくなっていくような気がした。
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