僕の庭
数日後、僕は少し躊躇いながらも、彼女の働く定食屋ののれんをくぐった。

割烹着姿で忙しく動き回っていた彼女は、店の隅にちんまりと座る僕に気付くと笑顔で走り寄ってきた。


「よかった、来てくれた」


「あ、ああ。約束したから、さ。
とりあえず、団子汁定食をもらおうかな」


「はあい」


注文を通しに奥に行こうとした彼女は、くるりと振り返って言った。


「今日はとっても綺麗よ、顔」


僕は頬が赤らむのを自覚しながら俯き、そんな僕を花保理は楽しそうに笑った。

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