僕の庭
「じゃ、じゃあ、また!」


「あ、耕介さ……」


僕は逃げるようにして花保理の家を飛び出した。

街を走り抜け、小さな我が家に戻ってきた時には肩で息をし、足はがくがくと震える程だった。


どうにか呼吸を整えて、ふと空を見上げると、空は満天の星が煌めいていた。

毎日、空を見上げていた。
家族を探して、迎えに来てくれるのを待って、
見上げていた。

彼らは来てはくれなくて、僕はそれでも空を見つめていた。

その空は、僕を隔離するかのように濁って見えたけれど、

今は透明感のある、澄んだ夜空だった。


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