君の隣でみる夢

次の日、柚葉は定期的にくる耳鳴りに悩まされていた。
「柚葉～永遠君よ！」
母親の声に柚葉はいつものように洗面台で最後の身だしなみチェックをしてから自分の頬をたたき気合を入れた。

耳鳴りのひどい日は平衡感覚がいつも以上に取りにくい。家の階段すら降りるのにいつもよりも時間がかかった。

玄関の扉を開けるといつものように母と永遠がいた。柚葉を見て永遠が近づいてくる。

「いってきます」
「いってらっしゃい」
柚葉の母はすぐに玄関から中に入ってしまった。
「おはよう」
「ん」
柚葉が永遠に挨拶をすると永遠がじっと柚葉を見た。