キンダーガーテン五      ~ここが居場所~

本音

「終わったぁ~」

玄関を開けると、唯を抱き上げてクルクル回る先生。

「ちょっと先生、目が回っちゃうよぅ。」

ギュッとしがみつくと

「だって、こうしたらギュッとしてくれるでしょう?」って笑ってる。

そのままリビングに行くのかと思ってたら………

通り越して、お風呂に。

「お疲れさん。
ゆっくり浸かっておいで。」って。

いつもお風呂は、先生が先。

専業主婦だったお母さんは

お仕事で疲れてるお父さんに、先にお風呂に入ってもらっていたから。

唯もついつい習慣になって先生に先に入ってもらってたの。

「先生が先だよ?」

唯の言葉に

「いつも俺を優先にしてくれるのは嬉しいけど。
今日は、頑張った唯ちゃんが先に入って。」って。

「でも……………。」

戸惑う唯に

「だったら、一緒に入る?
それなら順番を気にしないでしょう?
さぁ、入ろう!」って………

ええっ!?

一緒に~???

一緒って………裸だよ??

「キャッ!
先生のエッチ!!!」

直ぐに一人でお風呂に飛び込む唯を

ケラケラ笑ってる先生が………

月曜日に

「スケベ~」

「変態!!」

「唯ちゃん、結婚止めて別れろ。」って

非難轟々を浴びることになることは……

今は、気づかなかった。
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