キンダーガーテン五      ~ここが居場所~
お風呂を済ませ

買ってきたメニューでご飯を食べると。

洗い物もないから、直ぐに二人の時間。

「おいで。」

いつもの台詞にいつもの抱っこ。

やっぱりここが一番落ち着く。

「ねぇ、唯ちゃん。
もう聞いても良い?
………………涙の訳。」

先生………まだ気にしてたんだ。

「良いけど………
悪い涙じゃあないからね!
だって………
嬉し涙なんだもん。」

笑顔の唯に、本気の驚き顔。

「………………嬉し涙??
ホントに??」

「うん!」

キョトンとする先生に教えてあげる。

「…………あのね、さっき先生が
遠足も主任補佐も………
頑張ったって言ってくれたでしょう?
あれ………
ホントに嬉しかったの。
先生は出会って直ぐの頃から
『もっと自信をもちなさい。』って言ってたけど……
ずっと…………
今でもずっと……自信なんて持ててなくて。
誰かと比べたりはなくなったけど………
自分はダメだなぁ……とは
やっぱり思っちゃう。
仕事も先生との恋も………
いつでも『唯で良いの?』って………。
彼氏の先生は『唯ちゃんのご飯は、美味しいよ。』とか
『唯といるのは幸せだ。』って言ってくれるから………。
最近は『そうなのかな?』って思えるようになったんだけど。
お仕事では、なかなか誉めてもらえる事もないから………。
だから、ホントにホントに嬉しくって…………。」

そういうと。

「ごめん。
いつも、唯ちゃんは凄い!!
俺には無理だなぁって思ってるんだけど…………。
照れくさくて………
言えてなかった。
プライベートで、彼氏としてだったら言えるんだけどね。
ホントに唯ちゃんは凄いって……
いつも思ってるんだよ。」って。

唯からしたら、先生よりも凄い人なんていないのにね。
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