キンダーガーテン五      ~ここが居場所~
「ねぇ、唯ちゃん。
これで……ホントに結婚式に向かって進む訳だけど
……………大丈夫?
唯からしたら
『自分は、ダメで自信がない』って言うけど。
俺の方がよっぽど自信がないって……気づいてる?
強がって見せてるけど………
ホントは、怖くて仕方がないんだよ。
……………」

以外な事に

先生がそんな弱音を吐いた。

じっと見つめる唯の目を押さえて………

「恥ずかしいから……
ちょっとこうしてて。」と………。

目を瞑ったまま頷くと

「俺が唯ちゃんに恋をしたのは………
唯ちゃんが、面接に来た時なんだよ。」

えっ??

面接!?

思わず目を開けそうになった唯に

「だから~
瞑っててって、言ってるでしょう。
あの日俺は、いつものように夕方の送りを終えて
ケンの待つログハウスの部屋に顔を出したんだ。
いつもだったら
俺の帰りを首を長くして待ってるケンが………
俺を待つこともなく
砂場で唯ちゃんと楽しそうに遊んでたんだ。
正直………
かなり悔しくて嫉妬した。
離婚したてで、心を閉ざしてたケンが………
たった数時間で、ここまで心を許したのかって………。
悔しいけど………
凄いって感動もしたんだ。
それから………ウチに先生として来てくれ。
俺は、凄い期待だったんだけど………」

「使えない………ダメダメな子だったんだよね。」

ちょっと落ち込んだ声になった唯に。
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