復讐寮~罰ゲーム~
「死体だった」


カヤ先輩が抑揚のない声で言った。


「その生徒は夜中抜け出して、ちょっとヤバイ人たちと喧嘩になったんだって。そのまま殺されて、寮の前に置き去りにされた。死体は腐敗しはじめていたから、ハエがたかっていたみたい」


あたしはカヤ先輩の言葉にゴクリと唾を飲み込んだ。


その時の情景が、くっきりと頭に浮かんできそうだった。


「悪いのは生徒だった。だけど、責められたのは寮母1人。先生も生徒も、そして親も。全員がその時の寮母を責めた」


「その寮母さんが、精神的におかしくなった人ですか?」


真仁の質問にカヤ先輩は頷いた。


「そうよ」


「今の寮母さんとは関係ないですよね? 昔になにがあっても、カヤ先輩とは関係ないはずだ」


真仁が早口で言う。
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