復讐寮~罰ゲーム~
「どうして、ここまであたしたちを泳がせていたんですか?」


罪に気が付いていたのなら、もっと早い段階で注意することができたはずだ。


瞳のボヤ騒ぎの時にしても、親には言わないと甘い言葉を投げかけていた。


そんなことをしたら、あたしたちの悪行は悪くなる一方だとわかっていたはずだ。


「注意したくらいじゃ、あなたたちは変わらないからよ」


あたしはグッと押し黙った。


そうかもしれないと、自覚があったからだ。


「それならもう少し泳がせて、調子に乗ったところに罰を与えた方が効果的でしょう?」


「それも、寮母さんの指示ですか?」


「そうよ。あの人のやり方に反対する生徒なんて、この寮内には1人もいない」


「そんなに薬物が欲しいですか」


あたしの質問にカヤ先輩が笑った。


だらしなく口を開けて端からヨダレを垂らしてる。


「欲しいに決まってるでしょ!」


カヤ先輩が叫び声を上げると同時に、部屋の中に誰かが入ってきていた。


その人物を確認してあたしはゆっくりと息を吐きだした。


寮母だ……。
< 183 / 195 >

この作品をシェア

pagetop