敏腕社長は哀しき音色に恋をする 【番外編 完】
「ありがとう…ございます」
「まあ、僕はピアノ以外のことでも華に甘えて欲しいけどね」
さっきまでの雰囲気とは変わって、恭介さんはいたずらっ子のようにそう言った。
頬が熱くなっていくのがわかる。
きっと、真っ赤になっているはず。
「僕はいつだって、どんなことがあっても華の味方だ。
ここに華がいる間に、絶対に僕のことを好きにさせる。それも覚悟しておいて」
言い方は茶目っ気たっぷりなのに、恭介さんの目が本気だと語っていた。
この日は、昼も夜も恭介さんが食事を用意してくれた。
普段から時間のある時は料理をしているそうで、手伝いを申し出ても断られた。
恭介さんの作る料理は、どれも美味しかった。
夜、ここにいることに対する緊張もとけてきた時、私は恭介さんに声をかけた。
「恭介さん、何かピアノを弾いてくれませんか?」