敏腕社長は哀しき音色に恋をする 【番外編 完】
会社に着くと、永田部長に声をかけられた。

「神崎さん、もう大丈夫?」

「はい。昨日はご迷惑をおかけしてすみませんでした」

「無理はしないように」

「はい」


自席に着いて、仕事を始めた。
昨日休んでしまった分を取り戻さないと……と思っていたら、他の方が割り振って片付けてくれたようだ。

「みなさん、昨日はすみませんでした。私の分の仕事も片付けてくださって、ありがとうございます」

「気にしないで。神崎さんには、いつも手伝ってもらってるからね」

「そうだよ。たまには周りを頼ってよ」

「ありがとうございます」

目頭が熱くなって、俯きながら言った。
ランチも飲み会も出来る限り断って、必要以上関わろうとしてこなかったのに、こうして私を、助けてくれたことが嬉しかった。


〝僕は味方だ。あまえたいいんだよ〟

恭介さんの何度も言ってくれる言葉が、心の中に響いてきた。
なんだか温かい気持ちになった。
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