敏腕社長は哀しき音色に恋をする 【番外編 完】
仕事を終えると、スーパーへ寄って買い出しをしてからマンションに帰った。
羽山先生には昨日のことを電話で話し、しばらくスタジオに行けないことを伝えておいた。



夕飯を作って、恭介さんの帰宅を待った。
もう少し後になりそうかな?
それなら……弾いてみようかなあ。

そう思って、リビングに置かれたグランドピアノに向かった。


ーベートーベン 〈ピアノソナタ第8番 ハ短調 悲愴 第2楽章ー


ベートーベンが作曲家として名を広めるきっかけとなった一曲。
その表題通り、どことなく悲愴感漂う出だしが、今夜はなんだか違った印象を受ける。
優しさに包まれたような、そんな感じがしてならない。




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