Mein Schatz
結婚をする前は、家族はバラバラにご飯を食べていた。そのため、食事の時間が寂しいものにエヴァンは見えた。しかし今は違う。

「……温かいな……」

その呟きは、クラウディアには聞こえなかったようだ。そのことにエヴァンは少しホッとした。



朝食を食べ終わった後、エヴァンはクラウディアを連れて街へ出かけた。クラウディアにフォルトゥナ王国を案内しようと思ったのだ。

「とても賑やかですね」

クラウディアが出店が並ぶ市場を見回す。エヴァンは言った。

「今日は、月に一度開かれる出店が並ぶ日なんだ。いつもより安く商品を買える」

安く商品を買えるということで、市場は多くの人であふれている。エヴァンは後ろを歩くクラウディアを心配しながら前へと進んだ。

「エヴァンさん、ごめんなさい。待ってください」

クラウディアが行き交う人々をかき分けながらエヴァンに言う。エヴァンは足を止め、「大丈夫か?」と声をかけた。
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