飛び降りて、一緒に死のっか。
「……ねぇ。受け取るって?」
「んー」
光が、ふっと消えた。雲の仕業か。最期くらい、光をあててよ。
彼の瞳の色も、ミドリイロでなくなった。すごく深い黒。……茶色?
よく、みえない。
深くて、暗い、瞳。……それも、みえなくなった。彼がまぶたを閉じて、角度を変えて私に顔を寄せたから。
綺麗な、長いまつげ。そう思いながら、私も瞳を閉じた。
「……ん」
「ん」
離れ、お互いの顔をまじまじとみつめ合う。私の声のあと、彼が重ねてささやいた。
「……うん、いこっか」
「そうだね」
それから私たちは、どちらからともなく、手を繋いだ。
「さっきの答えね」
「……さっき?」
「そう。悲しくはないよ。でも、虚しい。
世界って綺麗だな。愛って切ないな。……和嘉乃って、素敵だな。
それら全部を思って、それら全部が俺のものにはならなくて、俺はきっとずっと虚しい。憎らしい」
絡ませていた視線は、彼がゆっくりと端を向いたことで、ほどけた。