セカンドラブは魔法の味
「ハルが、全部持って行ってくれましたよ。貴女の苦しみも、僕の悲しみも」
心優には何を言っているのか判らなかった。
だが不思議と、何だか気持ちが軽くなっているのを感じた。
「後は、貴女が残してきてしまった。ハルへの想いを、光に返して貴女に返すだけです」
幸弥はそっと、心優の前髪をかき上げた。
前髪をかき上げると、心優の左目元には酷い火傷の跡が残っていた。
幸弥は火傷の部分にそっと触れた。
幸弥に触れられると、心優の左目元に暖かさを感じた。
すーっと軽くなってゆくのを感じた心優・・・。
幸弥の手が離れると、左目元が軽くなっているをの感じて、心優は触れてみた。
「え? 」
触れた目元は、サラッとしていて、いつも感じていた皮膚のガサガサ感じがなかった。
驚いた目で、心優は幸弥を見た。
目と目が合うと、幸弥はそっと微笑んだ。
「もう一度。気持ちを伝えさせて下さい」
そう言って、真摯な目で心優を見つめる幸弥。
「心優さん。貴女の事を、心から愛しています。僕と、結婚を前提として交際して下さい」
スーッと、幸弥の言葉が素直に心優の心に染みわたって来た。