セカンドラブは魔法の味
「ねぇ、桜本先生ってなんだか最近、随分変わった感じがしない? 」
「やっぱりそう思う? なんか、随分綺麗になった感じがするの」
「マスク姿は変わらないけど、なんていうの? なんか、ずごく色っぽくてドキッとするんだよね」
「どうしたのかな? 」
看護師達が心優の噂話をしている。
いつものように外来診察をしている心優。
「先生、なんだかとても綺麗になりましたね? 」
常連の男性患者が不意に心優に行言った。
「何を言われるのですか? そんな事ありませんよ」
いつものように淡々と答える心優。
「お声も変わりましたよ。前は強張っていましたけど、この頃はとても柔らかくなって安心させられます」
「・・・そうですか。・・・そう言われると、嬉しいですね」
「でも先生、辞めてしまうなんて残念です」
「すみません、一身上の都合で・・・」
「そうなんですね。じゃあ、次が先生に会うのが最後なんですね」
名残惜しそうに話している男性患者。
この患者ばかりじゃなく、他の患者さん達も心優の退職を惜しんでいた。
同僚医師達も、心優が退職するのを聞くととても残念がっていて、独立する医師からは一緒に働かないかと誘われることもあった。