婚前溺愛~一夜の過ちから夫婦はじめます~


 なんかとんでもなくおこがましいことを言っていない?

 素直な気持ちを口にしたものの、一瞬にして後悔に苛まれる。

 その気まずさから逃れるように自然と目を伏せると、貴晴さんは距離を更に詰め私の顎に指を触れた。


「可愛い心配、してくれたんだ?」

「へ……?」


 視線を上げると、すぐ目の前で綺麗な顔が微笑んでいる。

 どきりと心臓が跳ね上がって、肩に力が入った。


「でもね、そんな心配は全く不必要だよ」

「え……?」

「俺が、里桜しか見えてないから」


 言葉尻が唇に振動して、そのままそっと口付けを落とされていた。

 触れた唇はゆっくりと深く重なり、やがて角度を少しずつ変えていく。

『里桜しか見えてない』

その言葉を証明するように、貴晴さんは甘いキスで私を翻弄していった。


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