婚前溺愛~一夜の過ちから夫婦はじめます~
それから、用意してもらったお風呂でゆっくり体を温めた。
その後、貴晴さんが入浴中に夕食の支度をし、クリスマスパーティーとはいえない簡単な食事を取った。
せっかく手作りでクリスマスを祝おうと思っていたのに予定が狂ってしまったのは残念だったけど、貴晴さんは「それもそのうち笑い話になるよ」と思いやりのある言葉を掛けてくれた。
また、こんな風に穏やかな時間が送れること、向かい合って笑い合えること……それが自分にとってどんなに幸せなことなのか、ただそれを噛み締めていた。
「疲れただろうから、ゆっくり休んで」
いつも通り一緒にリビングを出て、それぞれの寝室へと向かう。
貴晴さんは私の頭をポンポンと撫で、「おやすみ」と微笑んだ。
「あのっ……」
私の頭から離れて下ろされていく貴晴さんの手を、無意識に掴んでいた。
「どうしたの?」
両手で貴晴さんの手を包み込んだ私の指先に、応えるように指が絡められる。
顔を上げると、貴晴さんはじっと私の目を見つめていた。
「まだ……一緒にいたいです」