婚前溺愛~一夜の過ちから夫婦はじめます~


 勢い余って大胆なことを言ってしまったとハッとした。

 だけど、それは本心に間違いない。

 私に掴まれていない方の貴晴さんの手が、背中へそっと触れてくる。

 引き寄せられると、耳元に唇が近付いた。


「それは……一緒の部屋で寝てもいいってこと?」


 顔を見られていないことに後押しされて、こくりとはっきり頷く。


「わっ」


 すると、貴晴さんはいきなり両手で私を抱き上げてしまった。

 そのまま黙って使っていない寝室へと私を運んでいく。

 越してきた初日、この部屋の大きなベッドを見て緊張したことが蘇る。

 今だって鼓動が早鐘を打ってドキドキしているけど、でもそれは、貴晴さんを自らも求めているから。

 暗いままの部屋に入り、貴晴さんは私をベッドへと下ろしてくれる。

 ベッド脇に立つ背の高い間接照明をつけると、開けっぱなしになっている部屋のドアを閉めた。

 高鳴る鼓動を聞きながら、私の横に腰掛けた貴晴さんを見上げる。

 数秒間見つめ合うと、言葉なくふたりの唇が重なり合った。

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