婚前溺愛~一夜の過ちから夫婦はじめます~


「なに、そんなこと心配してたの?」

「そ、そんなことって……結構真剣に……だから、もしかしたら婚約も後悔されてないかな、とか、だから寝室も別々のままなんだ、とか、あれこれ……」


 心に引っかかっていたことを全て打ち明けると、貴晴さんは横から私の体を抱き締めた。


「まったく里桜は、そんな可愛い心配ひとりでしてたんだ」

「か、可愛い心配って、そういうことでは」

「可愛いでしょ。まさかそんなことで悶々としてたとか」

「もうっ、貴晴さん!?」

「それに、里桜がそういう子じゃないってことは、あの晩にちゃんとわかってたよ?」


 なだめるように、貴晴さんは私の頭をふわふわと撫でる。

 私を見つめる優しく細められた目に、抱えていた不安が溶かされていくようだった。


「じゃあ、全部私の無駄な心配、だったんですか……?」

「そうみたいだね。そんなこと言ったら、俺だってあのあと色々考えたよ」

「色々?」

「里桜のこと手に入れたいからって、ちょっと強引だったよな、って……」

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