婚前溺愛~一夜の過ちから夫婦はじめます~
私が身を任せてしまったことを気にかけていたと同じように、貴晴さんもあの日のことを気に留めていたと知り、なんだかおかしくなってしまう。
くすくすと笑うと、貴晴さんは「笑わないの」と私の鼻を軽く摘まんだ。
「じゃあ、お互いに色々と思うところがあったんですね」
「だね。でも、里桜のことを大事にしようと思って我慢してたのに、それが逆に心配の種になってるとはな……」
そう言った貴晴さんは、上体を起こして私の上へと覆い被さる。
突然迫ってきた貴晴さんにどきりとすると、どこか意地悪に口角を吊り上げた。
「貴晴さん……?」
「可愛い里桜と一緒にいて、俺がどれだけ我慢してたと思ってるの?」
「へっ……」
「もうこれからは、遠慮なく求めるよ?」
頬を撫でた温かい指が、私の唇をすっとなぞる。
親指が下唇にかけられわずかに開かれると、貴晴さんはそのまま塞ぐように口付けを落とした。