365枚のラブレター
(歩side)
紗耶香に
『別れてください』とラインをしてから
スマホが鳴りっぱなしだ
俺はスマホをバイブにして
枕の下に置いた
夜の10時を過ぎたころから
静かになったスマホが
またブーブーブーブー
枕の下でうなり出した
切れてはうなり
また切れての繰り返しだ
紗耶香だろうな・・・
俺は紗耶香にもひどいことをしたんだ
謝らなきゃな・・・
俺は枕の下からスマホを取り出した
見覚えのない番号だが
きっと紗耶香だろう・・・
「はい」
俺は静かに電話に出た
「歩だよな?」
「は?」
「琉生だよ!琉生!
奏多さんからお前の番号を聞いた!
お前今すぐ、言霊神社に行け!」
「なんだよいきなり・・・」
俺は胸がざわざわした
「クララが、消えちまうんだよ!」
琉生のその言葉に
俺は息をするのも忘れ
固まってしまった
「琉生!
お前ら付き合ってたんじゃないのかよ!
明日、永遠の愛を誓うんじゃないのかよ!」
「俺たち、付き合ってなんかなかった
クララに彼氏役を頼まれてただけだ」
・・・・・
嘘・・・
だよな・・・
なんでだよ!
クララ、なんでそんなウソついたんだよ!
それに
まだクララの誕生日になってないのに
消えるって。
もしかして
誕生日の0時になった瞬間に、
消えるってことか?
「クララは
ずっとお前のことが好きだったぞ
俺には何が起きてるかわからない!
でも一つだけわかることがある!
クララは今、お前に会いたいって願ってる!
絶対!」
「琉生、ありがとな」
そう言って電話を切ると
俺はパジャマのまま
家を飛び出した