「ひねくれモノめッ!」

もう1人のランチ勤務の従業員の方が来た。主婦の方で、白葉 花(しらは はな)さん。平日のみの出勤だそうだ。

「やんちゃ盛りの双子でね、大変なのよー。」
「やんちゃって事は男の子ですか?」
「それが両方なの。珍しいでしょー?可愛いけどホント大変なのよー。すぐ分かると思うわー。」

なんでも、毎週水曜日は学校が早く終わるらしく、シフトの都合でお店に寄ってもらい、一緒に帰るそうだ。
この分だと来週には会う事になりそうだな。


15時はランチが終わる時間だ。
その少し前、白葉さんと入れ替えで出勤の従業員がやってきた。

「ああああ貴方がっ、弘さんのっ、羨ま、いい、いえ、新しい、か、家政婦さん、ですね!?」

大きな眼鏡、緩めの三つ編みをした、いかにも文学少女と言う出で立ちの子だ。
え、なに、この子。キャラが濃い。
てか家政婦呼ばわりかよ!間違ってない気がするけど!

「桜木朔です。よろしくお願いします。えっと、」
「菅生 まゆ(すごう まゆ)で、す!家政婦さん!大学、3年生です!」
「家政婦さんって呼ぶのは止めてくれる?菅生ちゃん。」
「じゃあ弘さんを騙す悪魔。」
「何故!?」

何となく最初の会話で察したけど、この子国山クンが好きなんだな。もしくは西辻さんが言っていた信者か。

「弘さん、が、女の人を、自分の家に上げるなんて!!今まで無かった!です!なのに悪魔この野郎は!パッと出で私が狙ってた弘さん専属メイドの座を!あっさりとおおおおお!」
「ちょっと落ち着け菅生ちゃん。」
「きっとあんな事やこんな事や・・・弘さんのお世話・・・」

私が対応に悩んでいると、一服に来たノブさんが呆れてこっちを見た。

「菅生は放っといていいぞ、いつもの病気だ。」
「えぇえ・・・私、悪魔って言われてるんだけど」
「弘が来れば「弘さぁん!」って一瞬で機嫌治っから。」

それでいいのか甚だ疑問だよ私は。
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