一生一緒


私は立っている人が少なくなった部屋を見渡した。





棗の姿が見えないだけでこんなにも落ち着かない自分がいる。






最後の一人を倒し終わった無限が冷酷な顔をして立っていた。






普段掛けているメガネはいつの間にか外していて汗一つ掻いていない顔は未だ怒りに満ちている。






「ハハハ。幹部だけでこの強さかよ。やっぱり黒羽は一筋縄ではいかないな~」






この場に似合わない明るくて軽い声がした。






2階からあの金髪の男がこちらを見下ろしている。










「竜牙の新しい総長、神野紅蓮ですね。」







無限が静かに訪ねると金髪の男、紅蓮はニヤっとその綺麗な顔を歪めた。






「あぁ。」










「無限」








静かな、まるで歪みのない水面に一滴の雫が落ちたかのような澄みきった声が響いた。





棗が堂々と入り口から入ってきた。






それだけで黒羽のメンバー達の士気が上がる。





無限が棗を見て静かに場所を譲った。






しっかりと目線を合わせてくる棗。






それだけで安心している自分がいる。







「美幸。来い。」






「っ棗…!!」


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