アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚
近づいて来たのは、美人な看護師さんだった。

まるでモデルのように、手足が長い。

「こちらは、初めてですか?」

「はい……」

「では、こちらにお名前や住所を、お書きください。」

渡された紙に、私は名前や住所を書く。

「はい、お願いします。」

書いた紙をまた、美人看護師に渡し、私は検査を待った。


「お名前、水久保……つむぎさんって、言うんですね。」

隣に座る折橋さんが、話しかけてきた。

「はい、珍しいですよね。漢字ならまだ箔が付くんですけど。」

「いえいえ。可愛らしいお名前ですよ。」

ニコッと笑った折橋さんは、まるで王子様のようだ。


私も釣られて笑顔になって、さり気なく折橋さんから貰った名刺を見る。

折橋 五貴。

ん?名前、ごき?


「それで、”いつき”と呼びます。僕も、珍しいでしょう?」

私の体が、ビクッと飛び上がる。

まさか、名刺を見てる事、バレた?
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