アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚
「水久保つむぎさん。」

「は、はい!」

いいタイミングで名前を呼ばれ、一人で診察室に向かった。

よかった。

あれ以上あそこにいたら、報われない恋をするところだった。


一通り検査が終わって、結果が出るまでしばらく待つ事になった。

検査室を出ると、診察室の前で、折橋さんが待っていてくれた。

私は、深呼吸をした。

「折橋さん。」

「つむぎさん、どうでしたか?」

私を心配してくれているその顔に、胸がキュンとなる。

あっ、ダメダメ。


「つむぎさん?」

「あっ、あははは。えっと……結果が出るまで、少し待って下さいだそうです。」

「そうですか。」

そして折橋さんは、また私を心配する顔に戻る。


「……会社に、戻って下さい。」

「えっ?」

「お仕事の途中だったんですよね。私はもう大丈夫ですから。」

「しかし、検査代が。」

「それなら、私が……」
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