ポンコツ令嬢に転生したら、もふもふから王子のメシウマ嫁に任命されました
それはそうと、カイロス殿下は靴の持ち主を探し出し、セレネ姫との婚約が破談になってしまったと抗議するつもりなのかもしれない。
絶対に、私だとバレてはいけないだろう。恐ろしいにもほどがある。
「それで、兄上から調査を頼まれてしまい」
「ええっ……」
イクシオン殿下の手によって、テーブルの上に私が履いていた靴がそっと置かれた。「な、なんで、ここに!?」
「靴は二つあるからと、片方押しつけられた」
どこからどう見ても見ても、私の靴だ。馬車に乗るときの踏み台の角にぶつけた傷までも、たしかに存在する。
「あ、あの、イクシオン殿下、靴は、テーブルに載せないほうがいいかと」
「きれいに洗ってあるから、問題ないだろう」
問題はある。大いに。この靴を見ていると、私が激しく動揺してしまうから。心の安寧のためにも、即座に下ろしてほしいものだ。
イクシオン殿下はあろうことか靴を手に取り、じっと眺める。
「靴の持ち主の女、足が小さいな。こんなに小さくて、きちんと歩けるのか」
――大丈夫です。それを履いて、全力疾走していたので。
なんて、答えられるわけがなく。
「兄ではないが、私もこの靴の持ち主と会ってみたくなった。妖精のように、小柄な女性なのだろうな」
――今、目の前におりますが。なんて言えるわけもなく。
大変なことになってしまった。どうして、王都にやってきてから私の周りではトラブルばかり起きてしまうのか。
絶対に、私だとバレてはいけないだろう。恐ろしいにもほどがある。
「それで、兄上から調査を頼まれてしまい」
「ええっ……」
イクシオン殿下の手によって、テーブルの上に私が履いていた靴がそっと置かれた。「な、なんで、ここに!?」
「靴は二つあるからと、片方押しつけられた」
どこからどう見ても見ても、私の靴だ。馬車に乗るときの踏み台の角にぶつけた傷までも、たしかに存在する。
「あ、あの、イクシオン殿下、靴は、テーブルに載せないほうがいいかと」
「きれいに洗ってあるから、問題ないだろう」
問題はある。大いに。この靴を見ていると、私が激しく動揺してしまうから。心の安寧のためにも、即座に下ろしてほしいものだ。
イクシオン殿下はあろうことか靴を手に取り、じっと眺める。
「靴の持ち主の女、足が小さいな。こんなに小さくて、きちんと歩けるのか」
――大丈夫です。それを履いて、全力疾走していたので。
なんて、答えられるわけがなく。
「兄ではないが、私もこの靴の持ち主と会ってみたくなった。妖精のように、小柄な女性なのだろうな」
――今、目の前におりますが。なんて言えるわけもなく。
大変なことになってしまった。どうして、王都にやってきてから私の周りではトラブルばかり起きてしまうのか。